防藻被覆ワイヤ

防藻被覆ワイヤ

藻を防いで、藻を育成

磯焼け
磯焼け

磯焼けとは、藻場を形成する沿岸地域で、コンブなどの海藻がウニやアワビ、サザエによる食害で磯から無くなる状況です。1960年代にウニやアワビによる磯焼けが報告され現在までに深刻な問題となっています。磯焼けによる問題は、海藻類が採集できなくなるだけでなく、海藻を餌とする生物や海藻を住処とする魚類などの減少に繋がり生態系全体に波及します。

藻場造成の研究

カゴ付き藻場礁
カゴ付き藻場礁

藻場をつくるために母藻を育成する必要があります。カゴ付き藻場礁は、食害を防止して母藻をカゴ内で育成し、周辺海域へ藻の種子を放出させ藻場を再生します。しかし、カゴに藻類が付着閉塞すると光が届かず母藻が育成することができないとともに、種子の放出も出来なくなるため、カゴへの付着は抑止する必要があります。

藻を防いで、魚を育成

亜酸化銅
亜酸化銅

亜酸化銅は、藻やフジツボなどの付着を防止します。従来、毒性の強い有機スズ化合物が使用されてきましたが、海洋環境への影響が指摘され、近年は環境にやさしい亜酸化銅が用いられています。その亜酸化銅を樹脂に含有させ被覆することで、ゆっくりと長く使用し続けることができます。

養殖金網の研究

養殖金網の問題
養殖金網の問題

養殖網に藻などが付着することは、新鮮な海水の供給が滞り、養魚の生命にも影響します。高価な網を頻繁に変えることは、人々が食する魚のコストにも影響します。また、ダイバーが潜水して藻を取ることもありますが、危険な作業となるため、できる限り回数を減らすことが必要です。

暴露試験

防藻樹脂被覆ワイヤと亜鉛めっき鉄線を海中で18カ月暴露した結果、防藻樹脂被覆ワイヤの金網に藻が付着しにくいことを確認しています。

暴露試験

防藻樹脂被覆ワイヤの研究意義

サステナビリティ

サステナビリティについて

海に囲まれた日本において、環境問題や安定した食の供給など海の活用は不可欠です。
温暖化の主要因の一つであるCO2も海の吸収量は年間25億トンと陸上の木々の吸収量19億トンを大きく上回る効果があります。2019年の国連会議においてもブルーカーボンの取組が提唱され、日本における海藻の再生はブルーカーボン推進に欠かせない技術です。
養殖漁業は、海洋資源の減少がもたらす影響を軽減するもので、海の豊かさをまもるために欠かせません。
現代では養殖魚は、世界の人々が食する魚の半分以上を担っています。
世界の人々が海の豊かさを守り続けることを望んでいます。
トワロンでは、防藻樹脂被覆ワイヤの研究を通し、磯焼けから海藻を再生させ、
養殖魚をまもるための研究を推進しています。

トワロンのサステナビリティMore

ページトップへ