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IR被覆鉄線 建設技術審査証明
(一財)土木研究センターにおいて、「鉄線籠型護岸の設計・施工基準(案)」(平成21年4月 河川局治水課事務連絡)に規定される性能を満足することが確認され、当法人より建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)が交付されました。
技術の概要

「IR被覆鉄線」は、JIS G 3547 に適合する2.6mm、3.2mm、4.0mmおよび5.0mmの亜鉛めっき鉄線(H)3種に接着性樹脂を塗布し、アイオノマー樹脂を被覆した線材であり、「鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)」の被覆鉄線の適用条件である1河川水が強い酸性を示す区間、2河川水の塩水濃度が高い区間、3河岸等が腐植土で構成されている区間においても、強度、耐久性(耐候性・耐酸性・耐塩性・耐薬品性・耐磨耗性など)、均質性、環境 適合性に優れ、必要な摩擦抵抗を有したアイオノマー樹脂被覆鉄線である。
技術の特徴
「IR被覆鉄線」* の仕様
合成樹脂の種類 | アイオノマー樹脂(金属イオン架橋ポリエチレン系樹脂) | |||
---|---|---|---|---|
呼び(被覆線径-心線径) | ||||
32-26 | 40-32 | 50-40 | 60-50 | |
被覆線径(mm) | 3.20 ±0.08 |
4.00 ±0.08 |
5.00 ±0.10 |
6.00 ±0.10 |
心線径(mm) | 2.60 ±0.07 |
3.20 ±0.07 |
4.00 ±0.08 |
5.00 ±0.09 |
最小被膜厚さ(mm) | 0.20以上 | 0.27以上 | 0.34以上 | 0.34以上 |
引張強さ(N/mm²) | 590~880 | 540~830 | 390~780 | 390~780 |
破断強さ(N) | 3,140~ 4,660 |
4,350~ 6,670 |
4,900~ 9,790 |
7,660~ 15,300 |
亜鉛付着量(g/m²) | 120以上 | 135以上 | 155以上 | 155以上 |
*JIS G 3543の試験に合格した被覆線である。
施工手順
施行手順写真(例)
- 1.吸出し防止材の敷設
- 2.本体の組立
- 3.石詰め工程
- 4.石詰め完了
- 5.蓋網の設置
- 6.覆土工程
審査証明の結果
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(1)母材の健全性
めっき溶脱後の母材鉄線の表面写真により、母材の鉄線に傷がないことが確認された。
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(2)強度
線材の引張試験により、線材は390N/mmイ以上の引張強さを有することが確認された。
-
(3)耐久性
同種の基準に準拠した耐候性試験等により、強い酸性を示す区間、塩分濃度が高い区間、腐植土で構成されている区間において、30年間程度の耐久性を有するものと判断された。
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(4)環境適合性
環境適合性試験により、生態系を阻害するような有害物質を溶出しないことが確認された。
-
(5)耐燃焼性
たき火試験により、たき火等により被覆材の燃焼が広がらないことが確認された。
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(6)摩擦抵抗
磨耗試験及び摩擦試験により作業中及び供用中(30年間)における水辺の安全な利用の ために必要な滑りにくさを有することが確認された。
技術の適用範囲・用途
鉄線籠型護岸用被覆鉄線「IR被覆鉄線」は、下記の適用範囲において適用可能です。
- ・河川水が淡水の区間
- ・温泉地などで河川水が強い酸性を示す区間
- ・河口付近などで河川水が塩分濃度の高い区間
- ・堆積した腐植土で構成されている区間
温泉の流入する河川の適用例
河口付近の塩分濃度の高い区間の
適用例施工後堆積した腐植土で覆われた
箇所の適用例
審査証明有効期間
平成27年4月19日〜平成32年4月18日